ダーウィンのミミズの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)

ダーウィンのミミズの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)

 読了。

 はじまりは1冊の本。

 あるとき、著者はあの有名なダーウィンが書いたある研究書を手に取ります。それはミミズについての研究でした。

 ダーウィンは小さなミミズたちがすこしずつ土をたがやして肥沃土を作っているのではないかと仮説を立て、何十年もかけてその研究を続けていたのです。

 進化論を発表して「神を殺した」ダーウィンが、いっぽうで小さなミミズの研究を続けていたとは。

 しかもその実験のやりかたはごくごく素朴。ダーウィンは裏庭の牧草地に白亜をばらまき、ミミズの活動によってそれが埋もれていくプロセスをたしかめようとしたのです。

 恐ろしく気の長い話ですが、ダーウィンは自分の半生をかけてこの実験を続け、1881年、ついに「ミミズの作用による肥沃土の形成とミミズの習性の観察」という本を書き上げます。

 そしてそれからさらに100年以上も経って、著者がその本を手に取ることになるのです。めでたしめでたし。

 ところが、お話はここで終わりじゃないんですね。それではいまはその白亜はどうなっているのか? それが気になった著者は、わざわざイギリスまでダーウィンの裏庭を掘り返しに行くのです!

 その結果は、というと――いやいや、もちろんここに書いてしまうわけにはいきません。

 この本のなかにはちゃんとそのことも書かれていますが、さいごにのこるのはさらに大きな「?」です。そのクエスチョンこそ科学を発展させてきたものなのでしょう。

 知的な、とてもおもしろい絵本でした。