漫画版 あらしのよるに (マガジンZKC)

漫画版 あらしのよるに (マガジンZKC)

 読了。

 「あらしのよるに」をご存知でしょうか。

 この日記でも何度となく取り上げているので、常連の方は憶えておられるでしょう。そうでなくても、テレビCMなどで見知った方も多いかもしれません。オオカミとヤギの本来ありえないはずの友情を綴った名作絵本です。

 いまの世の中、ヒット作はメディア展開されるのが常。この「あらしのよるに」というシリーズも小説化されたり、映画化されたり、あげくの果てには「あらしのよるに −恋愛論−」というエッセイまで出版されてしまったりと、さまざまな形に展開しています。

 この作品はその漫画版。第一巻「あらしのよるに」から最終巻「まんげつのよるに」までを一冊にまとめあげています。

 空十雲という作家さんのことは知りませんが、なかなかツボを心得た漫画化で、コミカライズ作品としては上出来の部類に入る作品だと思います。うん、ぼくは満足。

 しかし、あらためてこういう形で読みかえしてみても、第六巻「ふぶきのあした」の結末は美しいですね。

 結果的に第七巻が付け加えられたため、このお話は結末に至る「過程」に過ぎなくなってしまいましたが、僕としてはやはりこの終わりかたこそ正しくこの世界を閉じていると感じます。

 たしかにここで終わられては、「よかったよかった」と安心しきることはできない。いつまでも心は物語のなかに片足をのこしたままになりかねない。しかしその消えない想いを「余韻」と呼ぶのではないでしょうか。

 なにもかも書いてしまうのが良いとはかぎらないと思うんですけどね。たぶん。