「クィーン・エステル、おうちはどこさ?」、「尾をつながれた王族」、「サシュヴラル」、「パシャルーニー大尉」読了。

 「クィーン・エステル、おうちはどこさ?」は北国を舞台にしたファンタジー。というか童話。まあ、なんというか、「ハリー・ポッター」みたいな話ですね(たぶん違う)。

 これも落ちは見え見えなんだけれど、ストーリーテリングがやたら軽快なので読ませる。このひと、ふつうに小説うまいと思うんだけれど、なんで売れなかったんだろ。

 「尾をつながれた王族」は異世界(?)の異種族(?)の異様な生活をえがいた作品。読みはじめてから数ページはなにがなんだかわからず、次第にかれらの異常な生態があきらかになっていくプロセスには迫力がある。

 編者はティプトリーの「愛はさだめ、さだめは死」を思わせると語っているが、雰囲気はむしろ正反対ではないか。あまりにも華麗なスタイルのティプトリーに対し、デイヴィッドスンの小説はなんか泥臭い。

 「サシュヴラル」は例によって読み終えても結論が出ないショートショート。一種のリドル・ストーリーである。ここまで来ると、こういう作家なんだとわかってくるので、さほど驚かない。

 それに対して、「パシャルーニー大尉」はふつうのいい話。最後の1行で泣かせる。しかしあくまで落ちを直接的に描かないで、読者に想像させるのがデイヴィッドスン流なんだなあ。そういう意味では、たしかに読みやすい作家とはいえないかもしれない。