新暗行御史 (12) (サンデーGXコミックス)

新暗行御史 (12) (サンデーGXコミックス)

 読了。

 映画化もされて(出来は知らない)人気高騰中の「新暗行御史」第12巻。

 あいかわらず主人公の過去を追う物語が続いています。まあ、「ベルセルク」における「鷹の団」篇みたいなものですか。

 かれらの過去にいったい何があったのか――といっても、荒みきった未来からしてある程度決まってはいるのですが、恋も友情も悲劇に終わることがみえているからこそ、かたられる物語はとても切ない。

 いつ悲劇が始まるかと身構えながら読まざるをえない心境はやはり「ベルセルク」に近いものがありますね。いっそさっさとすべてが崩壊してくれたほうが気が楽なくらい。

 僕はこの作家さん(たち)の作品では「アイランド」がいちばん好きです。「新暗行恩史」は作品的には洗練されていますが、「アイランド」のころの暗い情念は薄れたように思います。もうちょっと具体的にいうと、画面が白い(笑)。下品なせりふを口走る奴も出てこないしね。

 もちろん作家の個性は移り変わっていくのが自然ではあるのですが、この作家の場合、日本人に受け容れられる作風を考えた結果、ある種の濃密さが消えたのではないかという気がします。

 それはそれでかまわないものの、やはり一面で残念ではある。韓国には韓国なりに豊穣な漫画文化があるに違いないわけで、その日本にはない部分を輸入してほしいというのは贅沢なんでしょうか。あー、ハングル読めるようになりたいなあ。