Fate/hollow ataraxia 初回版(DVD-ROM)

Fate/hollow ataraxia 初回版(DVD-ROM)

 「Fate/hollow ataraxia」プレイ日記第最終日。

 プレイタイム25時間58分にて100%達成。――終わった。

 さて、それにしても、僕たちはこの作品をどう評価したら良いのだろう。「Fate/hollow ataraxia」。PCゲームとしては、間違いなく今年最大の注目作である。アニメ、コミック、ライトノベルまで含めても、今年最も熱い視線を集めた作品かもしれない。

 しかし、はたしてこれを「Fate/stay night」の続編と呼んでいいものだろうか。なにしろ、「Fate/hollow ataraxia」は「Fate/stay night」と連続していない。

 「Fate/hollow ataraxia」の時期は、「Fate/stay night」の半年後と設定されているが、「Fate/stay night」で語られた三つの物語はいずれも「Fate/hollow ataraxia」と矛盾している。

 「Fate/hollow ataraxia」の世界では、セイバー、アーチャー、ライダー、ランサー、キャスター、バーサーカー、アサシン――聖杯戦争で倒れたはずのサーヴァントたちは、みな、平穏で幸福な日常を過ごしている。

 当然、そこにはある種のごまかしがある。そして、そのごまかしが最後までこの作品を縛ってしまったようにも思う。「Fate/hollow ataraxia」は存在しないハッピーエンドのその先として作り出された世界に過ぎないのだ。

 そもそも「Fate/stay night」のファンディスクがこれほどまでに待望されたのは、「Fate/stay night」に完璧なハッピーエンドが存在しなかったからだ。

 どの道を辿っても、あるものはべつのあるもののために犠牲になり、倒れていく――その必然が、ユーザーに「完全なる幸福な結末」を切望させた。「Fate/hollow ataraxia」はまさにその期待に応えた作品といえる。

 しかし、その結果として生まれたのは、楽園というには、あまりにも微温な世界だったのではないか。

 「Fate/hollow ataraxia」では、「Fate/stay night」の暗い側面がすべて「なかったこと」にされている。たとえば間桐桜の設定がそうだ。そのため、「Fate/hollow ataraxia」の日常空間の水準は、全体的に見て「Fate/stay night」から派生した二次創作と大きく変わらない。

 TYPE-MOONは過去にも一度、「月姫」に対する「歌月十夜」という形で同じことをしている。そのときはかろうじて成立していた綱渡りが、今回は破綻していると思う。

 それはたぶん「Fate/stay night」の物語的な完成度が「月姫」を上回っているからこその破綻だ。「なかったこと」にしてしまうには、「Fate/stay night」の暗い半面はあまりにも魅力的だった。

 すべての謎があきらかになり日常が大きく崩壊していくクライマックスは圧巻だが、だからこそそれまでの日常の微温さとは極端にアンバランスだ。

 やはり「Fate」の魅力はその暗さや、悲劇性と切り離せないものだったのではないか。闇を取り除いてしまったとき、光もまた翳らざるを得ないのではないだろうか。

 その意味で、「Fate/hollow ataraxia」は「Fate/stay night」から一歩後退しているように思える。