盗賊の危険な賭 上 - エイナリン物語第一部 (C・NOVELSファンタジア)

盗賊の危険な賭 上 - エイナリン物語第一部 (C・NOVELSファンタジア)

 読了。

 エイナリン世界を舞台にしたファンタジー小説

 これはおもしろかった。ストーリーテリングは流麗だし、細部の描写には生々しいリアリティがあって、飽きさせない。訳文もこなれていて読みやすい。秋の夜長を活劇小説で過ごしたい向きにはおすすめできる一作です。

 主人公のリヴァクは盗みやいかさま賭博をしながら旅する女賭博師。そこそこ強くてそこそこ有能ではあるものの、スーパーヒロインにはほど遠いきっぷのいいお姉さんです。

 あるとき、古代トルマリン帝国の品を盗み出した彼女は、予想外のトラブルに巻き込まれることになります。

 ジョージ・R・R・マーティンの作品ほど重厚ではなく、かといってありふれたライトノベルほど軽薄でもない、なかなかに絶妙のバランスの小説です。その設定はどこかゲーム的で、神秘性には欠けるものの、呑み込みやすい。

 この手の小説を読みなれた読者なら、すぐにこの世界に入り込むことができるでしょう。つまりまあ、ロードス島アレクラスト大陸の物語を好むひとならこの小説も楽しめるんじゃないかと。どこの国にもこういう作品が好きなひとはいるんですね。

 でもこの小説、ネット上の感想が少ないんですよね。打ち切られるにはちょっともったいない逸品なので、もっと売れてほしいところ。まあ、総合的な評価については下巻を読んでみないとなんともいえませんが。