絶対可憐チルドレン (1) (少年サンデーコミックス)

絶対可憐チルドレン (1) (少年サンデーコミックス)

絶対可憐チルドレン (2) (少年サンデーコミックス)

絶対可憐チルドレン (2) (少年サンデーコミックス)

 読了。

 椎名高志の新作は、「週刊少年サンデー」連載作品としてはめずらしい2冊同時刊行。というのも第1巻に収録されているものは正式連載開始まえの読みきりと短期集中連載なんですね。

 ネットで調べてみたところ、最初の作品が雑誌に掲載されてから、連載が始まるまでに2年くらいかかっているらしい。しかしそれだけに物語はよく練り上げられていて、きっちりとおもしろい。さすが、プロの仕事だよね。

 今回の主人公は、日本に数人しかいないらしい「超度7」のエスパー、「ザ・チルドレン」、最強の能力と最悪にわがままな性格を併せ持つ10歳のこどもたちです。

 育ち方しだいで悪魔にも天使にもなる可能性を秘めた彼女たちを、エリート青年皆本光一がなんとかコントロールしながら話は進んでいきます。

 ESPだけは強力なものの、人間的には未熟そのもののチルドレンと、なんの力もないけれど正義感と良識をそなえた皆本の対比がみごと。きちんとおとながおとなを演じている世界というのは、やっぱり良いものですね。

 一見、お気楽な話なんだけれど、底のほうにはその対比を巡るシリアスなテーマがあって、それが作品をひきしめている。僕は漫画のよしあしは快楽性の有無だけじゃないと思いたいほうだけれど、きっとこういう作品はむずかしいご時世なんだろうと思う。

 それだけに、このテーマを少年漫画として十分に楽しめるほどわかりやすく処理してのける椎名氏の漫画力にはリスペクトを感じる。早くも伏線がはられていることもあって、先の展開が楽しみな作品です。