読了。

 日本唯一のフィギュアスケート小説「銀盤カレイドスコープ」第5弾。うん、悪くない。タズサがタズサらしいことは好感がもてる。第4巻のタズサは普通に良いお姉さんしていたからなあ。やっぱりタズサはこのくらい冷酷非情じゃないと。

 ただ、読みはじめて20ページくらいで結末までの展開が読めてしまうのはちょっとまずいかと。キャラクターの性格設定から、おおよそどこに落すかわかっちゃうんだよね。個人的にはもうひと捻りほしかった。

 タズサがトップアスリートの凄みを見せつけるくだりはなかなかのカタルシス。しかしタズサの足の怪我はさいごまでなんの縛りにもなっていないんだけど、なんのために導入されたのだろうか……。

 というわけで、僕的にはそこそこ満足の巻。ただ、あいかわらず本筋から離れた番外編という印象は拭いがたい。そもそもこの物語はあきらかに第2巻までできれいに完結しているわけで、それ以上の先をえがくことには必然性が感じられない。

 新人賞を受賞した作品をシリーズ化することは、ライトノベルの世界ではもはや常識化しつつあるけれど、やはり弊害は大きい気がする。

 どうしてもそうしたいなら、いっそ募集の段階で「シリーズ化される可能性があるので、そのつもりで書いてきてください」とでも募集要項に書いておけばいいんじゃないかな。

 さて、今後の展開ですが、この巻のなかで、タズサがいなくなってしまった「あいつ」を思い浮かべる場面が挿入されているることを考えると、そのうちピートが出てきそうな気もします。さすがにこのままではタズサが可哀想だしね。