- 作者: 天野こずえ
- 出版社/メーカー: マッグガ-デン
- 発売日: 2003/03/01
- メディア: コミック
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- 作者: 天野こずえ
- 出版社/メーカー: マッグガ-デン
- 発売日: 2003/07/10
- メディア: コミック
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読了。
おなじみ、ほんわかゆったりスローライフ漫画。今回は温泉、新年のお祭り、謝肉祭、地底都市、廃線になった鉄道、その他もろもろを巡る物語が収録されています。
一応、舞台は未来なんだけれど、SFというよりファンタジー。ファンタジーというよりマジック・リアリズム? 舞台は火星、重力をあやつるノーム、気候を操作するサラマンダーなど、地球上の妖精の名前でよばれる人びとが働いています。
主人公は運河を案内するウンディーネの一人前をめざす「半人前」。彼女はのびのびと暮らしながら運河の都ネオ・ヴェネツィアの四季を体験し、ときには魔法的な出来事に遭遇します。
単行本1冊かけてひとつの季節がすすむので、1年えがくのに4巻かかります。このゆるやかな時間感覚がこの作品の最大の魅力でしょう。
基本的には一話完結の短編連載形式で、それぞれの回に必ず見開きの絵が挿入されるところが特色です。個々の話はその一枚の「絵」のために存在しているといってもいいでしょう。
ゆったりと流れる物語のなかで、時おりあらわれる大きな「絵」。その瞬間、時間は停まり、世界は一枚の風景として切り取られるのです。
小さなコマから大きなコマへのスムースな以降は漫画の魅力のひとつで、主に少年漫画でよく使われるわけですが、この作品の場合、迫力よりも美しさをめざしているようです。それがまたいい感じに気が抜けるんだよね。
あと、ひとつ不満があるとすれば、バスタオル着たまま温泉に入っていること。無粋なやつらめ。少女向け漫画で読者サービスしてもしかたないけど……。