ARIA (1) (BLADE COMICS)

ARIA (1) (BLADE COMICS)

 読了。

 その時代、かつて火星と呼ばれた星は、水の惑星アクアとして知られていた。150年前の惑星地球化の成果である。そしてその星につくられた運河の街ネオ・ヴェネツィアでは、アイドル的な水先案内人(ウンディーネ)たちが観光客相手に活躍していた――。

 古きよきSF小説を思わせる設定とまったりした空気で魅せた「AQUA」の続編。そういえば「ARIA」になってから読んでいなかったな、と思い手にとってみた次第。

 タイトルも変わっての仕切り直しではあるが、実質的にはほとんど何も変わっていない。あいかわらずまったりした空気を楽しむ漫画。

 超なごみ系というか、「アフタヌーン」あたりに連載されてそうな雰囲気というか、物語的な起伏がないかわりに時間が停まったような世界を楽しめる(本当はマックガーデンの本です)。

 過ぎた20世紀は効率化の世紀だった。経済、工業、運用、そして芸術にいたるまで、すべてが効率化され、そしてそれに耐え切れない人間たちが軋みをあげていった時代。21世紀のいま、ようやくそれが反省とともに見直されようとしている。

 この漫画のおもしろさは、その失われたものを描くために、舞台を未来に設定したところにある。はるか星の彼方のネオ・ヴェネツィア。地球ではなくなったものがなお息づくその地は、究極のリラックス・スペースである。

 ああ、こんなところでゆっくり一週間くらい過ごしてみて〜。