読みはじめた。巻頭のショートショート「高額保険」がいきなり巧くてニヤリ。わずか4ページのなかにミスディレクションをはりめぐらし、冒頭と結末を対照させてみせるストーリーテリングの妙。デビュー作にして天才短編作家の片鱗は見て取れるかと。

 これを読み終えると入手可能なスタージョンの短編集は残り1冊になってしまうので、ゆっくり読もう。でもまだ「きみの血を」も「人間以上」も「ヴィーナス・プラスX」も「夢みる宝石」(再読)も「盤面の敵」(代作)ものこっているぜ! 再評価ばんざい!

 続けて「影よ、影よ、影の国」、「もうひとりのシーリア」、「不思議のひと触れ」と読みすすむ。スタージョンのセンチメンタル&ロマンティックカラーがはっきり出た短編が多いですね。

 「もうひとりのシーリア」の人格設定、「影よ、影よ、影の国」の巧みな語り、「不思議のひと触れ」のロマンティシズム――はうあう。もうどうすればいいのやら。スタージョン最高〜。

 「輝く断片」や「海を失った男」といった超傑作級と比べると多少見劣りするのは事実ですが、しかし、はるかに読みやすい。たぶん乙一が好きなひとは楽しめるのではないかと。

 ていうか、「影よ、影よ、影の国」のアイディアって「平面いぬ。」だよね。もちろんその処理は背筋も凍る巧さ。スタージョンは異常なことをあたりまえのように書くことの天才ですね。