これは傑作だと思う。ジャッキー・チェンの映画といえば痛快なアクションが売りだが、今回はあえて従来のジャッキー映画の枠組みを破壊し、暗く怨念にみちたドラマをえがいている。

 物語はジャッキー演じるチュン警部率いる捜査班が、なぞの銀行強盗グループにより壊滅させられる場面から始まる。すべてを喪ったチュン警部は酒びたりになり、自暴自棄の生活を送る。

 しかし、そこに新しい相棒があらわれて――と、ここからはお約束のバディ・ムービーになる。しかし、惨めな敗北者と化したジャッキーの姿は衝撃的だ。

 この映画の見所はここから不死鳥のように再生し、犯人グループを追いつめていく彼の活躍なのだが、それにしてもいままでにない暗いドラマだといえるだろう。もちろん、そこで終わったらあまりにも救いがない。後半ではお得意のアクションが爆発する。

 停まらないバスのうえで飛びはねたり、高層建築のうえでたたかったり、あいかわらず荒唐無稽もいいところ。だが、今回はそれがドラマの重さとつながって実に爽快なカタルシスを生む。

 エンディングのNGシーンを見ると、高層ビルから駆け下りるシーン、本当にやっているんだよなあ。それはもちろん命綱はつけているだろうけれど、僕だったらいくらお金を積まれてもできないかも。

 シナリオ面でいろいろと無理はあるのだが、年老いたジャッキーが見せる新境地は熱い! まあ、シナリオの鍵を握るニコラス・ツェーのコートは、「踊る大捜査線」の青島くんに見えてしかたがないんだけれど。