さくらの境 1巻(MFコミックス)

さくらの境 1巻(MFコミックス)

 読了。

 竹本泉の長編。両親がブラジルに移住したことから、10匹の猫および女の子ふたりと同居することになった少女の話。なんだそれといわれてもそうとしか説明のしようがない。

 ついでに百合漫画。ふだんは優等生の二子ちゃんは、なぜか主人公のさくらの前では超あまったれモードになってしまうのです。ツンデレというか、デレデレ。

 お風呂いっしょに入るし! おはようのちゅうするし! あげくのはてにはとことこ近寄ってきて頭すりすりしてから去っていくし! とにかくすごいことになっています。

 猫が進化してしゃべるわけでもなく、小人さんが野菜を盗んでいくわけでもなく、ドラゴンがテレビを見たがるわけでもないので、竹本泉にしてはふつうの漫画なのですが、十分変な設定だよね。

 なぜいまこういうものを書くかというと、「最近、百合漫画とか流行っているから」らしい。天才の考えることはわからない。うじゃうじゃ。

 よく考えてみれば、女の子3人で同居生活という設定は、少女漫画の古典的名作「フランス窓通り」と同じですね。夢物語のレベルでいうなら、女の子が集まって同居生活というのは、楽しそうな印象ではある。

 これが男性どうしの同居生活となると、推理小説の探偵と助手くらいしか思い当たらない。男性のほうが生活能力が弱いせいだろうか。寄宿舎生活ものなら、「飛ぶ教室」とか「トーマの心臓」とか、いろいろあるわけだけど……。

 というわけでまああいかわらずの竹本泉、あいかわらずのほのぼのしたちょっと変な漫画。「アップルパラダイス」みたいな超絶奇想があるわけではないので、物足りないといえば物足りないけど、女の子はかわいいのでまあいいか。

 足の踏み場がないほど本で埋まった家はあこがれないこともないような気がします。でも10匹の猫の名前のつけかたは変だぜ。うーん、うじゃうじゃ。