黒神(1) (ヤングガンガンコミックス)

黒神(1) (ヤングガンガンコミックス)

 読了。

 日本を舞台にした韓国の漫画。作者は来日の経験がないそうだから、資料と想像だけで書いていることになるのだが、それほど違和感がない画面である。編集者の指導もあるんだろうけど、街中の風景や雰囲気は日本も韓国もそれほど違いがないのかも。

 中身はよくあある伝奇アクション漫画。秋葉原でゲームの企画屋をいとなむ主人公は、あるとき出会った少女のたたかいにまきこまれ、片腕を失う。そして彼女と「契約」することによってかろうじて生き延びるのだが、たたかいにまきこまれることになる。

 まあ、「3×3EYES」の冒頭みたいなものですね。主人公が冒頭で死んでしまうぶん、「3×3EYES」のほうが凄いけど。

 その少女はじつは元神霊(もとみたま)とよばれる存在で、この街にひそむ兄を殺すためにやってきたらしいのだが――と、話は進むんだけれど、どうもこのへんの設定がわかりづらい。

 この世界には同じ姿をもった人間が3人いて、かれらが出逢うと一方は消滅してしまうとかなんとか、そういう設定はわかる。でも細部がどうも掴みづらい。そもそもそんなことがあったら、あちこちで消滅事件が起きているんじゃないかな。

 例外はあるだろうけれど、この手の特殊格闘漫画の基本設定は次の条件をみたしているべきだと思っている。

1.シンプルでわかりやすいこと。
2.多彩な応用が利くこと。

 この視点からみると、「ジョジョの奇妙な冒険」の「スタンド」とか、「DEATH NOTE」の「デスノート」といった設定は非常によくできていることになる。「DEATH NOTE」の物語はそうとう錯綜しているが、「名前を書けば死ぬ」という基本設定は極限的にシンプルだ。
最近では、「こわしや我聞」あたりはわかりやすいですね。この漫画はどうもその入口のところでつまずいてしまう。設定を考えるのがおもしろいことはわかるけれど、そういった情報嗜好は、自己満足で終わる危険も孕んでいるわけだ。

 しかし、秋葉原を首輪をつけた女の子が歩いていたり、バトルしていたらあっというまに話題になっていると思う。このアキバははどんな世界なんだ。まあそこらへんは「お約束」でつっこんじゃいけないところなんだろうけれど。