射鵰英雄伝 DVD-BOX 1

射鵰英雄伝 DVD-BOX 1

 ああ、文字化けしているなあ。「射雕英雄伝」。金庸の小説を中国でドラマ化したものです。とりあえず第1巻を借りてきて鑑賞。思ったよりずっとおもしろかった。この第1巻と第2巻は全体のプロローグに過ぎませんが、壮大なドラマの幕開けを味わえます。

 物語の舞台は南宋末期の戦国時代、宋は北方に興った金によって皇帝を浚われるという恥辱を味わわされますが、腐敗した政府はなんら打つ手がありません。

 そこで活躍するのが在野の侠客たち。ある者は愛国の情熱に燃えて奸臣を討ち、またある者は英雄を助けて戦場に立つわけです。そのなかでも最強を誇るのが「五絶」といわれる5人の剣客なのですが、かれらが登場するのはもっとあとの話です。

 まず出てくるのは全真教の誇る「全真七子」の一、丘処機(きゅうしょき)。かれがある奸臣を暗殺する場面から、すべてが始まります。

 殺したらすぐに逃げればいいものを、わざわざその場に血で「奸臣死すべし」などと書きのこしていく性格が災いしてか、丘処機は逃避行のなかで出逢った二人の男を巻き込んで死なせてしまいます。おまけに二人の妻は、そのとき妊娠していた子供ごと浚われてしまったらしい。

 ここは命懸けでも彼女たちを救い出さなければ、英雄とはいえぬ! というわけで丘処機は浚われた二人を追いかけるのですが、やはり短期な性格が災いして、江南武林最強を誇る七人の侠客「江南七怪」とひとりで対決することになります。

 性格はちょっとまずいものの武術はめちゃくちゃ強い丘処機は、江南七怪を相手に一歩もひかず、互角の戦いをくりひろげるのですが、結局、ふたりの妻を浚った仇敵には逃げられます。お前、その性格直せよな(ちなみにこのひと、実在の人物(-_-;))。

 そこで丘処機と江南七怪はようやく誤解も解けて仲直りするのですが、もちろんこのままでは済ませられない。そこでかれらはおたがいに誘拐された二人の片割れを助け出し、その子供に武術を教えていつか対決させるという気の長い約束をします。

 この子供の片方、遥かな北方のモンゴルで育てられた少年が、全編の主人公、郭靖(かくせい)。そして丘処機が追ったもうひとりの子供は、なんと金国の皇子として育てられています。ここから長い長い物語が始まることになるのですが――。

 お話のおもしろさはもちろんですが、それを彩る映像美もなかなかのもの。中国の大地の広さ、モンゴルの空の青さ。そしてその地を血に染めて続く、国家と民族の治乱興亡。とてもあそこまで豪華絢爛とはいえないものの、どこか「ロード・オブ・ザ・リング」を思わせるものがある。

 小説で読んだかぎりではだれがだれやら憶える気にもなれなかった「江南七怪」が、ビジュアルにしてみると実に個性的なのは新鮮な驚き。一応、歴史ロマンではあるものの、ほとんどファンタジーに近い世界なので、「十二国記」あたりのファンにもお勧めです。おもしろいよ、ほんと。