読了。

 天地龍之介シリーズ最新作。

 推理するハムスターというべきなごみ系名探偵の物語も、早いもので6冊目。今回、龍之介は、いよいよ悲願の「学習プレイランド」建設に乗り出す。

 個々の事件とはべつに一貫した物語が流れているのがこのシリーズのおもしろいところで、はじめは身寄りのない貧乏青年に過ぎなかった龍之介も、いまでは一応、一国一城の主というわけ(まだ実物はできていないけど)。

 ちなみに、過去のシリーズのタイトルを並べると以下のようになる。

・「殺意は砂糖の右側に」
・「幽霊船が消えるまで」
・「十字架クロスワードの殺人」
・「殺意は幽霊館から」
・「殺意は青列車に乗せて」
・「殺人現場はその手の中に」

 いくらしょっちゅう殺人事件が起こるとはいえ、「殺意」とか「殺人」とか「幽霊」とか同じ語句を使いすぎなのではないだろうか。紛らわしい。

 これほど行く先々で殺人に遭遇しているようでは経営などおぼつかないのではないかと心配になるが、ま、そこは名探偵の宿命だからどうしようもないか。

 今回も「学習プレイランド」の協力者を求めて駆け回るうちに龍之介たちは五つの怪事件に出会う。

 ふだんはぼんやりしているこの青年も、こういうことに関してはきわめて優秀で、快刀乱麻、難事件をあっというまに解決してしまう。

 ワンパターンとはいえ、やはりここらへんが推理小説の醍醐味である。

 その際披露される理科系トリビアがこの作品のもうひとつの魅力だろう。はっきりいってそれほど大したトリックはないのだが、こども向けの科学教室を見ているみたいで、悪くない。

 それにしてもだいぶ登場人物も増えてきて、だれがどの事件の関係者なのか、そろそろ記憶が怪しくなってきた。この先もまだまだ続いていくと思われるので、出版社には登場人物表を付けてほしいものである。