南青山少女ブックセンター〈1〉 (MF文庫J)

南青山少女ブックセンター〈1〉 (MF文庫J)

 読了。

 こりゃ凄い。おもしろい。このあいだのオフ会で滅・こぉる導師がこの人の「神様家族」を「「ハイペリオン」よりおもしろかった」といっていたので、気になっていた作家なんだけれど、なるほど、これはあたりだなあ。

 あらすじだけ採ればどうってことはない話。女性恐怖症の少女たちが集まるクラスに放り込まれた不運な少年を主人公にした萌え萌えラブコメ(ただしこの巻ではラブ1割、コメディ9割くらいの比率)。

 しかし異常にリーダビリティが高く、すらすらすらすら、のどごしの良い蕎麦でも食べるように読める。特にひんぱんに改行しているわけでもないのに、文庫1冊1時間で読めるのだから恐ろしい。

 150ページあたりを読んでいるときにふと時計をみたら30分しか経っていなくてびびった(まあ、たぶん分量的には原稿用紙300枚程度しかないのではないかと思うけど)。

 実際、この文体だけでもたいした才能なのではないかと思う。秘密は、たぶん省略法にある。この小説、とにかく飛ばす。ふつうなら描写しなければならないだろうところをしないで済ます。

 おかげでたぶんわからない人にはまったくわからない代物になっているのだが、僕はわかるから問題ないや。こどものころからライトノベル読みまくって過ごして良かった。

 まあ、ストーリー的に特におもしろいところがあるわけではないんだけれど(盗撮犯の動機はさすがに無理がありすぎると思う)、いいのだ。ストーリーなんて飾りなのだ。偉い人には(以下略)。

 いや、ほんとにおもしろかったので、かなりオススメ。ひょっとしたらラノベ読みより小説オタクのほうに受けがいいかもしれない、とも思う。そんなことはないか。