BLOOD ALONE 1 (電撃コミックス)

BLOOD ALONE 1 (電撃コミックス)

 読了。

 上遠野浩平の癖のある原作をわりとセンス良く料理してあってそれなりにおもしろかった「ブギーポップ・デュアル」の作者さんの新作。

 作家をなりわいとする青年クロエと、(少なくとも見かけは)幼い吸血鬼の少女ミサキが探偵をするお話。でもハードボイルド・ホラーというよりは、吸血鬼をネタにした日常話がメインみたいですね。

 前作「クロノスヘイズ」が微妙な出来だっただけに、この人は次にどっちへ行くんだろうと注目していたのですが、美少女(ていうかほとんど幼女。手を出したら犯罪)吸血鬼との同棲話かあ、またおいしいところを狙ってきたなあ。同人誌で出していた話らしいですが。

 それほど作品数が多いわけじゃないから、どういう個性をもった作家なのか、現段階でははっきり言い切れないのですが、この漫画を読むかぎり、なんかやばい方向性だよな、と思わなくもない。

 「ちゅーーを…しろ」じゃないだろ、「ちゅーーを…しろ」じゃ。よくも悪くも同人誌的な、狭いターゲットに熱烈に支持されるタイプの作品なのかも。

 幼いまま年をとらなくなってしまった少女吸血鬼というキャラクターは、萩尾望都の大名作「ポーの一族」のメリーベルたんをはじめ、アン・ライス夜明けのヴァンパイア」(映画版は「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」)のクロウディアとか、「D―ダーク・ロード」のレディ・アン(すげえかわいい)とか、いろいろいるのですが、ミサキたんもまあかわいい。

 けっこう読者を置き去りにしているストーリーテリングに不満がないこともないのですが、「こういうの好きでしょ?」といわれたら「好きですぅ」と答えてしまう自分がいるのも事実かも。

 作者が愛をこめて人物を描いているのが感じ取れます。まあ、この愛情というのも微妙なものなんですけど。ほんとにむずかしいものですねえ、漫画を一本描きあげるって。