ファイブスター物語 第2巻 2005EDITION (ニュータイプ100%コミックス)

ファイブスター物語 第2巻 2005EDITION (ニュータイプ100%コミックス)

 読了。

 未完が宿命づけられた永野護畢生の超大作「ファイブスター物語」、第2巻の改訂版である。四つの太陽と五つの友人惑星をもつ夢幻の世界ジョーカー太陽星団を舞台に、人型戦闘機械モーターヘッドを駆り名誉をかけて戦う騎士たちと、かれらに仕える人工生命体ファティマの活躍をえがいた物語も、このあたりはまだまだ序盤。

 この巻のヒロインはすべてのファティマの頂点である「運命の三女神」のひとり、クローソーで、このエピソードが終わったあと、彼女はもう出てこない。作品の象徴ともいえるキャラクターをあっさりと物語から退場させてしまう作者の思い切りのよさがでた話であるといえるだろう(以前は第2部になれば出てくると思っていたんだが……)。

 改訂版でも基本的にそこらへんの展開は変わっていない。細かいせりふの変更などはちょこちょこあるみたいだけれど、しっかり読み込んでいないのでよくわからない。見どころはなんといっても巻末に付されたスリーブノート、この十数年で付け加わったさまざまな設定が絵つきで語られている。これあってこその永野護、これあってこそのFSS

 なかでも数十体のファティマのデザイン画がやはり圧巻。社会のポテンシャルとともに科学技術が衰勢にむかう太陽星団で、傑出した才能をもつ天才科学者たちによって生み出された人工生命体たちのうるわしさは、今日にいたるまで色あせない。

 永野護がこの世に生んだ、もっとも病んだ、もっとも美しいキャラクター。それがファティマだろう。さて、連載再開はいつになるやら……。