愛人 5 (ジェッツコミックス)

愛人 5 (ジェッツコミックス)

 読了。

 圧巻。これを読まずして今後の漫画を語るべからず。

…………ねえ先生
それがこの世の真実ですか?
本当は
懸命に生きようとする努力も
人を愛したり愛されたりする
悦びも悲しみも
すべては作りもののまぼろし
どうしようもなく
無力で無意味なものでしか
ないのではないですか?

 あけることをしらぬ夜に閉ざされたくらやみの時代、苦しみが憎しみを生み、憎しみがさらなる争いを呼ぶその狂った世界で、病んだ少年を慰安するため生み出された人工生命は書き残す。「こわくはありません だいじょうぶです」。

 これは折れたつばさでひかりさす朝をめざす鳥の歌、寂しい少年と哀しい少女の、出逢いとわかれのものがたり。

 神が地上を見捨てても、世界がひとを愛さずとも、それでもなお優しい祈りはつづく。それは救世を求めるねがいではなく、あらたにこの呪われた世界へ生まれくるこどもたちへの祝福なのだ。

 ねえ先生、それがこの世の真実ですか? こたえは物語のなかにある。あるいはあなたの愛人(アイレン)のそばに。