読了。

 なんだかコミックとライトノベルばかり読んでいるような気がする今日この頃ですが、この作品もふだんならまず手にとらない青い背表紙のファミ通文庫

 「このラノ掲示板弐式」で久美さんが誉めていたから購入したんだけれど、いやあ、これはおもしろかった。

 この町を統べるものは世界を制するという伝説を持つ星凪町、その支配を狙う悪の秘密組織「流流舞」を指揮する若き美貌の司令官「戦慄のアルマンド」を父に持ちながら、かれには内緒で町を守る正義の味方スウィート・パティシエールの一員になってしまった少女美夢(12歳)の苦悩と活躍の日々をえがくベリベリキュートなハートフル・コメディ。

 冷酷非情な悪の幹部として町の皆さんに迷惑をかけつづける父を内心恥ずかしく思う美夢は、かれをいまの地位から失脚させるべく、五人のスウィート・パティシエールのなかでもいちばん気恥ずかしいピンク・ミルフィーユになってミニスカートひらひらで戦うのですが、その一方でルックスこそ超美形だけれど学歴も社会性もまるでない父親の再就職の心配もせねばならず(いま棲んでいるマンションは流流舞を辞めたら出て行かなくてはならないのです!)、中学1年生にしてすでになかなかに苦労の多い日々。

 しかし彼女を溺愛する父はそんなことにちっとも気付かず、美夢の苛立ちを募らせるばかり。でも彼女だってほんとうはたったひとりのパパのことをとても大好きなのです、というお話。

 あらすじを読んだだけでもわかるとおり、「美少女戦士セーラームーン」をひとつの嚆矢とするガールズ・ヒーロー系のコミックやアニメーションのパロディノベルなのですが、とにかくページのすみずみまでラブにあふれたハッピーな小説で、読んでいてすごく楽しい。

 美夢の仲間のスウィート・パティシエールも、アルマンドの部下の流流舞星凪町支部幹部たちも、お約束の性格ながらキャラが立っている。

 僕は「東京ミュウミュウ」よりはこちらのほうが好き(「東京ミュウミュウ」も好きだけど)。「ちゃお」とか「なかよし」あたりの少女漫画が好きなひとは読んでみるといいかと。そんなひとがこのページを読んでいるかどうかは謎ですが……。