天使はモップを持って (ジョイ・ノベルス)

天使はモップを持って (ジョイ・ノベルス)

 読了。

 若くて可愛い女性清掃作業員キリコが次々とあらわれるミステリのかずかずを快刀乱麻に解決する「日常の謎」系推理小説

 短編集だけれど、印象としては山田正紀の「阿弥陀(パズル)」にちょっと似ているかも。

 8本の短編が収録されているのだが、個人的には「ロッカールームのひよこ」が気になった。

 スケベで有名な上司にセクハラされているOLが物語の焦点。主人公は彼女を助けてやろうとするのだが、まわりの人間は彼女が本当にいやがっているのかどうかわからないという。

 なぜなら、彼女は上司にセクハラされるようになってから、いままでにない派手な下着を身に着けるようになったのだ……。

 なるほど、北村薫ならこう生臭くは書かないだろうなあ。北村とかれの作品は多くの追随者を生み、ミステリのあらたな可能性を切り開いた。この作品もそのなかのひとつである。

 いまも北村の作品がそのジャンルの頂点にあることに変わりはないとおもうが、歴史が積み重なれば変り種もいろいろ出てくるわけで、僕としては楽しい。

 これからもいろいろと斬新な探偵が出てくるといいなあ。とりあえずいまは米澤穂信の第四弾に期待。書店員を務めながらミステリを書くというのは有栖川有栖のパターンだ。偉大な先達に追いつく日をめざしてがんばってほしい。