- 作者: 金城一紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/01/31
- メディア: 単行本
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読了。
生と死に関する物語三篇を集めた短編集。薄くて読みやすいが、主題は重い。
生と死は人間の人生のなかで最も重要なふたつの主題だが、このふたつは決して切り離すことができない。死をえがくことによってのみ、生について語ることができるのだ。
したがって、生の賛歌をたからかに歌い上げようとするものは、その果てに待つ暗いものをまっすぐに見つめることをも要求される。金城一紀はこの小説でそれをやっている。
だれのもとにもあしたにも訪れるかもしれない永遠の静寂。それを直視してなお、希望をもってあすへ進んでいくことができるだろうか? これはそれをこころみたチャレンジャーたちの物語だ。