88の夏休み―雫と風音 (角川コミックス・エース)

88の夏休み―雫と風音 (角川コミックス・エース)

 読了。

 左右対称になっているカバーイラストに惹かれて購入。タイトルはひとつですが、実は「深緑と栞」編と「雫と風音」編に別れています。といっても内容がリンクしているわけではなく、場所とシチュエーションが同じだけであとはべつのお話。

 作者がたてた2本のプロットがふたつの雑誌で同時に連載されることになったためこういうことが起こったらしい。ちょっとおもしろいですね。中味はたいしておもしろくないけど(偉そうですいませんね)。

 本編のあいだに作者がいろいろな漫画に原稿を見せてそのたびに内容を手直ししていく苦労話がインサートされているんだけれど(犬上すくねの態度がすごく偉そうで笑える。さすが女子高生肉奴隷化計画の漫画のひと)、そのなかのだれも的確なアドバイスをしてくれなかったのだろうかと首をかしげたくなるほどお話が練れていません。

 まあ、ひとつに絞りきれずにふたつのシナリオを同時に発表してしまったくらいなんだから内容の完成度は推して知るべきなんだけれど、それにしてもちょっと雑然とした印象。

 なんだかよくわからない奇蹟が起こって物語が収束するところといい、幼いころに交わした約束をヒロインが都合よくおぼえていたりするところといい(この設定はいいかげんやめたほうがいいと思う。飽き飽きした。でもショタ少年と年上ヒロインという設定はちょっと新鮮だな)、状況設定にまるで説得力がないことといい、非常にギャルゲー的。

 タイトルからわかると思うし、読めばすぐ気付くのでばらしちゃいますが、2冊とも内容は時間ループものです。ある理由から88回も同じ夏休みをすごしているという設定なんだけれど、実際にはそのうち87回の夏休みのことが描かれていないので、この設定には全然重みがないし、どうして88回目が特別なのかもはっきりしない。

 ムードだけが先に立って物語が破綻している印象。ほんとうにギャルゲーだなあ。おまけのエッチ漫画がいちばんよかったなどとはいいませんが、もうすこしどうにかならなかったのだろうかと思えます。どうにもならなかったんだろうけどさ。