二十面相の娘 1 (MFコミックス)

二十面相の娘 1 (MFコミックス)

 読了。

 乱歩を読みはじめたから読んだわけではなく、以前から注目していた作家の注目していた作品なのだが、とにかくこれはおもしろい。

 エンターテインメント性ゼロ、でも妙におもしろかったデビュー作「ぼくはおとうと」などと較べると、本作はあくまで王道娯楽作品に仕上がっている。

 乱歩の情念や退廃や妖しさはないが、レトロかつ摩訶不思議な世界観の雰囲気は出ている。なにより展開の早さに驚く。

 第1巻の段階で二十面相にさらわれてかれの仲間になった主人公チコは、第2巻(現在未刊)の冒頭では既に伯父夫婦が棲む家に帰ってくることになる。

 そのあいだの2年間の物語はほとんど描かれない。ここまではあくまでプロローグであって、本編はあくまで「二十面相の娘」チコがかれを追いかけて冒険していく物語にあるのだろうが、それにしても最近のやたらに長い漫画に慣れた身には新鮮だ。

 お奨めの新作です。