初恋 (ジェッツコミックス)

初恋 (ジェッツコミックス)

恋人の条件 (ジェッツコミックス)

恋人の条件 (ジェッツコミックス)

誘惑 (ジェッツコミックス)

誘惑 (ジェッツコミックス)

ふたりで朝まで (ジェッツコミックス)

ふたりで朝まで (ジェッツコミックス)

最低!! (ジェッツコミックス)

最低!! (ジェッツコミックス)

 読了。

 二宮ひかるの初期短編集を5冊続けて読んでみた。良い。

 作画の完成度でもテーマの追求度でも「ナイーヴ」以降の長編には及ばないとは思うけれど、やっぱり二宮ひかるは最初から二宮ひかる。独特の艶のある描線に魅了される。

 彼女の作品は極言すればすべてひとつのテーマをあつかっている。「男と女」だ。男女のあいだにある微妙なディスコミュニケーションを二宮は目ざとく見つけ出し、流れるような描線のなかに塗りこめる。

 あるいはまた、彼女の作品は理性と欲望の拮抗の物語でもある。たとえば「触りたい」という欲望と「触ったりしてはいけない」という理性の綱引きの物語。

 この綱引きは初期短編群から「ナイーヴ」「ハネムーンサラダ」へと延々と続いていくのだが、「ハネムーンサラダ」の結末ではついに欲望が理性を吹き飛ばし、それはもうめちゃくちゃなエンディングに至る。

 それで吹っ切れたのかどうか、そのあとに続くものは、自分の欲望に忠実なケダモノの世界のようだ。

 「月刊アフタヌーン」で連載がはじまったばかりの最新作「犬姫様」は主人公の目にだけ全裸の女性に見える犬を描いたとんでもない作品である(その「犬」に首輪をつけて鎖につないで散歩するのだ!)。これはオススメ。