QED 式の密室 (講談社文庫)

QED 式の密室 (講談社文庫)

 読了。

 いきなりシリーズ第4弾から読み始める僕。だってこれがいちばん薄いんだもん。

 「QED 百人一首の呪」で第9回メフィスト賞を受賞してデビューした高田崇文が陰陽師式神の謎に挑む「密室本」の1冊。

 「密室本」であるからには当然、物語のなかで密室殺人が発生するわけだけれど、あきらかにこの事件の作中でのウェイトは歴史ミステリとしての謎解きのほうにある。

 平安の世、陰陽師たちが操っていたという「式神」とは何者だったのか? なかなかに意外で衝撃的な解答が待っている。

 もっともこの歴史部分がおもしろすぎてミステリ部分が負けてしまっているのはにゃんとも。

 トリックそのものはチェスタトンのある名作のヴァリエーションなんだけれど、これはそのテーマの極北といってもいいのではないかと思う。

 いやあ、そんなことがありえるものなんですかねえ。安部晴明についての謎解きなどもあるので、晴明ファンの女性などにもお薦め。

 ただし、この本を読んで夢が壊れたとしても僕は知らない(笑)。個人的には、この本のなかの晴明のほうが、妖しげな術を操る陰陽師よりももっと魅力的なキャラクターだと思うんだけどね。